日本人で三味線をまったく知らないという人はおそらくいないでしょう。仮に楽器の名前を知らないとしても、その音色を耳にすればすぐ思い出すはずです。
では、三味線の演奏を生で、目の前で聴いたことのある人はどのくらいいるのでしょうか。一時ブームになった津軽三味線のコンサートに行った方はいるかもしれませんね。
では、三味線を持ったことのある人はどうでしょう?これはナマで聴いたことのある人に比べればズッと減ることでしょう。最近は中学や高校で三味線などの和楽器に触れる機会があるようですが、全体では身近で見たこともないという人が大半ではないでしょうか。
私も生まれて半世紀以上そうでした。ところが、ひょっとしたきっかけで三味線を始めたところ、これが面白い!もちろんはじめのうちは撥の握り方や糸の押さえかたなど苦労するところもあります。簡単な楽器でないことだけは確かですが、これほど繊細で、自由度の高い楽器はありません。
三味線といっても、長唄とか津軽とか、特定のジャンルにこだわる必要はありません。この楽器に魅せられてロックなどを三味線で演奏する西洋人もいます。趣味として楽しいのはもちろん、上手くなれば人前で演奏したり、さらにはプロの演奏家になることもできます。和楽器離れが進んでいる現状だからこそ、始める価値があります。
新しいことを始めるのに年齢は関係ありません。小学生でも90歳の高齢者でも、思い立ったらまず左手に棹、右手に撥を持ってみることです。三味線を一度も持たずに一生を終えてしまうのは実にもったいないことです。ぜひぜひ三味線を始めてみて下さい!